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重度訪問介護とは?サービス内容や利用対象者などを解説



重度訪問介護とは、障害の程度がより重度で日常的なサポートを必要とする方への介護サービスです。では、重度訪問介護のサービス内容には具体的にどのようなことが含まれているのでしょうか。また重度訪問介護を行うには、何か資格を持っている必要があるのでしょうか。今回は、重度訪問介護について、サービスの内容やサービスを提供するにあたって必要な資格などをご紹介していきます。

重度訪問介護とは?

重度訪問介護とは、障害者総合支援法に基づくサービスで、重度という言葉にもある通り、障害の程度が重度な方を対象に、ヘルバーが利用者の自宅を訪問して生活のサポートを行う介護サービスです。詳細は後述しますが、食事や排泄、入浴などをはじめ、生活に関する相談など日常生活において必要となる様々な場面でのサポートを行います。

またヘルパーが利用者の自宅を訪問してサポートを提供するという点では、重度訪問介護の他に、訪問介護と居宅介護というものもあります。これら3つは似ているサービスのように思えるかもしれませんが、サービスの内容や利用対象者、さらには法律においても異なります。重度訪問介護と居宅介護は障害者総合支援法、訪問介護は介護保険に基づいています。
訪問介護と居宅介護について、詳しくはこちらの「訪問介護と居宅介護は何が違う?両者の違いと特徴」の記事をご覧ください。

では、重度訪問介護サービスを利用できる人や具体的なサービス内容については以下で確認していきましょう。

利用対象者

重度訪問介護の利用対象者は、重度の身体障害、知的障害、精神障害により、常に介護を必要とする方です。詳しくは以下のように決められています。

・障害支援区分が4以上であること
かつ、以下の①、②のいずれかに該当する方
①二肢以上に麻痺があり、歩行・移乗・排尿排便の全てにおいて、「支援が不要」以外に認定されている方
②障害支援区分の認定調査によって重度訪問介護が必要と判断された方

筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィーなどの疾患を抱える方、重症心身障害、強制行動障害を抱える方などが重度訪問介護サービスを利用されています。

1人での日常生活が困難な方が対象となりますが、重度の障害があるからといって必ずしも重度訪問介護を利用しなければならないということではありません。上記に該当する重度な障害がある方も、居宅介護サービスを受けることも可能です。一人ひとりにそれぞれ最適なサービスを検討していくことが、支援サービスを提供する事業者にとっては大切なことといえます。

サービス内容

重度訪問介護におけるサービス内容は、生活全般のサポートといえます。

・身体介護
入浴介助、排泄介助、食事介助、着替援助など
・家事援助
料理、洗濯、掃除、買い物代行など

・移動介護
外出時における移動の支援・介護や見守りなど

・その他生活に関する援助
生活全般に関する相談や助言など

サービスを利用できる時間

居宅介護サービスでは、1日に複数回介護サービスを受ける時には2時間の間隔をあけなければいけない、ということを聞いたことがあるかもしれません。これは居宅介護における「2時間ルール」というものですが、重度訪問介護では2時間ルールは適用されません。

2時間ルールとは、1回の訪問で介護サービスを受けた場合は、次の訪問までには原則として2時間の間隔をあける必要があるというルールです。2時間の間隔を空けなかった場合、2回訪問していたとしても1回の訪問としてカウントされてしまいます。

ではなぜこのような2時間ルールが設けられているかというと、介護報酬に影響が出てしまうからです。介護報酬とは、利用者が事業所に支払う料金ですが、介護報酬を正しく算定するためのルールが2時間ルールなのです。

重度訪問介護が2時間ルールの対象外となっている理由は、重度訪問介護サービスの利用者は、長時間の介護を必要とされている方で、介護サービスの内容も幅広く、時間も要するからです。このような場合において、2時間の間隔を空けてしまうと、利用者の生活、さらには生命に危険を及ぼす可能性もあるため、ルールの対象外となっているのです。

また、居宅介護サービスは、事前に作成された「介護計画」に基づいて介護サービスを行います。しかし、重度介護サービスでは長時間かつより柔軟な介護を目的としているため、介護計画の内容だけにとどまらず利用者が必要な時に、必要なサービスを提供できるようになっています。そのため、2時間ルールは適用されず、長時間継続した支援ができるのです。


重度訪問介護に必要な資格

最後に、重度訪問介護サービスを提供するにあたって必要な資格について解説します。
重度訪問介護従業者として働くには、以下のいずれかの有資格者であることが必要です。

・介護福祉士
・看護師
・准看護師
・介護福祉士実務者研修の修了者
・介護職員初任者研修の修了者
・介護職員基礎研修
・居宅介護職員初任者研修
・居宅介護従業者養成研修1級課程
・障害者居宅介護従業者基礎研修

また資格がない場合には、
・重度訪問介護従業者養成研修
を受講・修了する必要があります。

この研修の受講には条件などはなく、介護が未経験の方でも受講できます。研修は、基礎課程、追加課程・統合課程があり、これらを修了することで資格を取得できます。
都道府県ごとに厚生労働省が指定した事業者が開催しているので、受講する場合は各都道府県のページで確認することができます。

まとめ

今回は重度訪問介護についてご紹介しました。訪問介護、居宅介護に比べてより柔軟かつ長時間の介護支援を行うことなどが重度訪問介護です。また重度訪問介護従業者として働くには資格が必要ですが、資格がない場合には重度訪問介護従業者養成研修を修了することで資格を取得できます。

重度訪問介護の目的やサービス内容などをしっかりと把握し、利用者の方に寄り添った支援を提供できるようにすることが大切です。

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